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銀の現物を買う方法の備忘録#silversqueeze

火災保険から見る貴金属の自宅保管

2021年の1月から火災保険料がまた上がるのでこのタイミングで見直しをしていたのですが
その中で自宅に金や銀の貴金属を保管していて損害を受けた場合にどのように補償されるのかを保険会社に確認してみましたのでまとめます。
保険会社に質問して自分なりに解釈してみましたがおかしい点ありましたらご指摘ください。

質問先

私はセゾンの「じぶんでえらべる火災保険」で契約しているのでここに質問しました。
保険会社によって見解や契約内容が異なるため気になる方はご自身の契約している保険会社にご確認ください。
名称や用語等は本火災保険で使用している用語をベースに進んでいきたいと思います。
また、今回は一番損失額の多いと思われる「盗難」にフォーカスを当てていきたいと思います。

保険の仕組み

じぶんでえらべる火災保険の基本的な仕組みを説明しておきます。
この保険は基本補償は火災、落雷、破裂・爆発のみでそれ以外の風災や水災、盗難等はすべてオプションという扱いになります。
なので用語的にも「○○特約」のような名称になっています。
今回は盗難にフォーカスを当てるのでそれに関連する「盗難補償特約(家財用)」と「高額貴金属美術品等補償特約」についてみていきます。
ちなみに約款には「高額貴金属美術品等補償特約(明記用)」というものが存在しているのですがこれは2013年6月以前に火災保険契約した人向けということで契約はできないようです。こちらの方が補償内容がいいので残念。

約款(の抜粋)

約款はこれを参照しています。以下関連するところのみの抜粋です。

組立式火災保険普通保険約款
第2章 補償条項
第4条(保険の対象の範囲)
(1)この保険契約における保険の対象は、次に掲げる物で、日本国内に所在し、被保険者が所有するものとし、次を単位にこれを引き受けるものとします。
①保険証券記載の建物
②収容家財
(2)次に掲げる物は、収容家財には含まれません。
~省略~
通貨、小切手、手形その他の有価証券、切手、印紙、預貯金証書、プリペイドカード、電子マネーまたは乗車券等(注4)その他これらに類する物
貴金属、宝玉および宝石ならびに書画、骨董とう、彫刻物その他の美術品で、1個または1組の価額が 30 万円を超えるもの
~省略~

特約
〔7〕盗難補償特約(家財用)
第2条(保険金を支払う場合)
(2)当会社は、保険証券記載の建物内における通貨、預貯金証書、切手、印紙または乗車券等の盗難によって損害が生じた場合は、その損害に対して、この特約に従い、保険金を支払います。
~省略~
第5条(保険金の支払額)
(3)当会社は、保険金額を限度とし、(1)および(2)の規定による損害の額を保険金として、支払います。
(4)第2条(保険金を支払う場合)(2)の損害については、次の①から③によります。
①通貨、切手、印紙の盗難の場合は、当会社は、1回の事故につき、1敷地内ごとに 20 万円を限度としその損害の額を保険金として、支払います。ただし、切手および印紙の損害の額については、その料額によって定めます。
~省略~

特約
〔12〕高額貴金属美術品等補償特約
第1条(用語の定義)
~省略~

高額貴金属美術品等 貴金属、宝玉および宝石ならびに書画、骨董とう、彫刻物その他の美術品で、1個または1組の価額が30 万円を超えるものをいいます。
支払限度額 保険証券記載の高額貴金属美術品等の支払限度額をいいます。

第5条(他の特約が付帯されている場合の読替え)
盗難補償特約(家財用)が付帯されている場合は、前条の規定を、次のとおり読み替えて、盗難補償特約(家財用)の盗難保険金の支払額として適用するものとします。
「(1)当会社が第2条(この特約の補償内容)の盗難保険金として支払うべき損害の額は、保険価額によって定めます。ただし、その損害の額が1個または1組ごとに 30 万円を超えるときは、損害の額を 30 万円とみなします

特約の要約

  • 家財に現金(通貨)や預金(預貯金証書はキャッシュカードや預金通帳のこと)は含まれない。
  • 家財に30万円超え(目安としては50gの金地金100ozの銀地金程度)の貴金属は含まれない。
    • 特約を付けなければ火災で焼失しても家財でないので一切保証されないということ。
  • 「盗難補償特約(家財用)」で保証されるのは家財に加えて現金や金券。現金は他のものと合わせて20万円まで補償される。
    • 盗難特約だけでは30万円超えのの貴金属は一切保証されない。
  • 「高額貴金属美術品等補償特約」を付けて初めて30万円超えの貴金属が保証される。
    • ただし、それが1個100万円であっても30万円までしか補償されない。
    • 保険証券記載の高額貴金属美術品等の支払限度額は1事故(空き巣に1回入られたら)100万円
    • なので30万円超えの品が4品あったらその時点で満額補償は無理ということ。

質問

上記約款を読んでの疑問は「通貨」とはどこまでを示すのか表現があいまい。
銀貨(や金貨)には「額面」があるので通貨でもあり貴金属でもあるのでどちらに扱われるのか?
通貨として扱われた場合20万までしか補償されないのは厄介ということなので質問してみました。

Q1.通貨とはなにか?
A1.約款上の通貨は法定通貨を指し、こちらは海外の通貨も含みます。
Q2.海外製の銀貨は通貨か貴金属どちらで扱われるか?
A2.海外製の地金型銀貨(投資用銀貨)は、金銀投資を目的としたものであり、
通常額面としての価値以上に、金銀としての価値で流通しているものと考えられます。
一般的に流通している通貨とは明らかに性質が異なるため、貴金属として取り扱いをいたします。

Q3.日本製の銀貨は通貨か貴金属どちらで扱われるか?
A3.銀貨は金銀として額面以上の価値を持っている可能性が高く、その場合貴金属として取り扱うことになります。

という回答でした。ある程度は予想通りの回答といったところです。

気になるのはA3の回答で「額面以上の価値を持っている可能性が高く~」の部分で、可能性は低いかもしれませんがオリンピック記念1000円銀貨のような少し純度が低い銀貨の場合額面を下回るようなことがあれば通貨として扱われるかもしれません。
もし、そういうものを大量に保管していると他の現金と合わせて最悪20万円までしか補償されないような事態もあり得ます。
泥棒は相場を考慮して侵入してはくれませんから。
あまりないのかもしれませんが高額額面の銀貨に投資するのは保険の観点からは危険かもしれませんね。

保険でしっかり補償をうける保管の仕方

家財として扱われるものは保険の家財の契約金額を調整することで対応できますが30万円を超えると100万円という上限ができてしまうため、保険で十分カバーできなくなってしまいます。なので、

  • 自宅保管するものはある程度バーチャージを支払っても小分けしたものにする。
  • 1本1枚の値段が30万円以下になるようにする。
  • ある程度値上がりを想定してサイズを決める。(事故が発生したときも30万円以下になっている必要があるので、5倍になると思うなら6万円以下、3倍なら10万円以下のものを購入する。)
  • 保管している貴金属のうちいずれかが30万円に近付いたらちゃんと「高額貴金属美術品等補償特約」を追加する。
  • 30万円近辺の貴金属の自宅保管は3個までにする。
  • 通貨とみなされない貴金属商品にする。(高額額面は避ける)

という考えで購入するようにした方がいいのではないでしょうか。
あと、これは対策ではないですが何が盗まれたか明確になるように目録のようなものを残しておいた方がいいと思います。
火災等のリスクも考えるとクラウド上とかの方がいいかと。
数十kgの金庫ぐらいなら金庫ごと盗まれるのでその前提で考えた方がいいです。金庫の盗難防止策なら鉄板敷くとかですが。


金貨であれば1/4oz、金地金なら10gバー、銀地金なら500gや300g、10ozバーあたりが今後の値上がりを考慮して当面は30万を超えないようなサイズかなと思います。
銀貨1枚30万円の世界になったらそれはそれでいろいろヤバイことになっていると思うので考えないでおきます。